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囲碁が由来の言葉/日常生活に根付いていた囲碁

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日本語の起源は諸説がありすぎて、ハッキリはしていませんが、弥生時代や縄文時代以上の昔に遡るなんて言われています。

今現在使われている言葉が、その当時はどのように使われていたのかと不思議に思ったりしてしまいます。とはいえ、古くから日本に住んでいた人達が使っていた言葉が、現代まで紡がれ、色々な形に変化しながらも、ずっと伝えられてきたというのは間違いのないことでしょう。

そんな中、意味合いの変化も沢山あったようです。

「かなり」は良い?!

例えば、「かなり」という副詞は、その使い方がだいぶ変わってきています。
例 「かなり」良い点数と言えば、100点満点中何点くらいだと思いますか?
80点や90点などの、「かなり」良い点数を想像するのではないでしょうか?
しかし、実際「かなり」は、古語の「可成り」が由来。許して認めることを意味します。つまりは、許せる点数、現代でいえば赤点を免れるくらいの点数を指すのが本来の「かなり」の意味合いだったようです。
中国語の肯定を表す「可」が、日本に伝わり現代でも使われているのです。

囲碁が由来の言葉

歴史的に日本と中国の関りは深く、囲碁も中国から、仏教の伝来と共に日本に伝わってきました。
そして、皆様が思う以上に囲碁は日本の日常生活に根付き、様々な言葉を生み出しています。
今回は、そんな囲碁が由来の言葉を紹介してみます。

その多くは、戦国時代の武将が嗜んだということから(囲碁は戦略ゲームとしても扱われたとも言われています)、やはり「戦」に関する言葉が多いようです。

「名人」:今では、いろんな分野で使われる言葉ですが、最初に使われたのは囲碁と言われています。あの織田信長が、本因坊算砂という碁打ちの実力を認め、「そちはまことの名人なり」と言ったことから、この言葉が生まれたとされています。

「布石」:もともとは囲碁の序盤のことを指す言葉。現代では、戦いに備えて準備をする段階の言葉として使用されます。「〇〇を成功させるために布石を打つ」なんて使われ方をします。ちなみに「打つ」というのも囲碁が由来の言葉です。

「一目を置く」:自分よりも実力が上の相手に敬意を表す時に使う慣用句。囲碁を打つ時に、弱い方が先に石を1つ(一目)置いて始めることから、この言葉が生まれました。

「捨て石」:戦いにおいて「肉を切らせて骨を断つ」のを目的として、わざと捨てる(相手に差し上げる)のことを捨て石と表現します。将棋由来の言葉に、似たような意味で「捨て駒」がありますね。「捨て石になる」「捨て駒になる」なんて使われ方をします。

「駄目(ダメ)」:囲碁で効果がない場所を駄目と言います。打っても無駄なところです。これはそのまま現代でも無駄なところ、効果がないところとして使われています。お母さんが子供を注意する時に「〇〇しちゃ、駄目よ」なんて言いますよね。日常用語過ぎて囲碁が由来とは思われない言葉かもしれません。

「定石」:戦いの時には、まずこうやって準備をするのが「定石」だなんて使います。物事に対する決まったやり方を指す言葉ですが、現代においてもそのまま「定石」として使いますね。ちなみに、将棋だと「定跡」。どちらを使うかは、特に定まっていませんが、調べてみると「定石」の方が一般的だと言われています。

まだまだ、沢山ありますが、こちらは「戦」に関連して生まれた言葉の数々です。

昔は、現代のようにインターネットが発達していなかった世界です。
武将達の合間のひと時を潤す存在として「囲碁」があり、それが様々な言葉を生み出してきたのでしょう。
あの徳川家康も、囲碁が大好きで、大名同士の囲碁会を何回も開催していました。
現代よりも、ずっとずっと「囲碁」が身近な存在だったのです。

最後に、もうひとつ囲碁が由来の言葉を紹介します。

八百屋の長兵衛さん

こちらは江戸時代の話です。

「八百長」:その昔、江戸の街に八百屋の長兵衛さんという人がいて、その人の呼び名が「八百長」でした。囲碁仲間に、店の商品を買って欲しいという理由で、わざと負けて機嫌を取っていたらしいです。
しかし、ある日、本因坊秀元と互角の勝負をしてしまい、周囲に実力がバレてしまったことから、わざと負けることを「八百長」というようになったという逸話があります。

こちらは「名探偵コナン」という有名な漫画にも掲載され、新しいとして(八百長が囲碁由来だったとは知っている人が多かったのですが)、囲碁界に逆輸入されました。
「八百屋の長兵衛さんは本因坊秀元と同じ棋力だったんだ」とSNS上に驚きの声があがっていましたね。

碁打ちの名家 本因坊

ちなみに、本因坊秀元についても少しだけ。
本因坊家とは、江戸時代の碁打ちの名家のひとつ。そこで実力を認められた者が「本因坊〇〇」と名乗ることを認められます。本因坊秀元は、16世・20世の本因坊。1854年(安政元年) – 1917年(大正6年)まで生きたとされる人物。
同じく有名な漫画「ヒカルの碁」での登場人物、藤原佐為は、本因坊家の本因坊秀策と共に生きたと設定されています。本因坊秀策は、1829年(文政12年)-1862年(文久2年)までの人物なので、本因坊秀元よりは歳上となります。

囲碁が由来の言葉はまだまだありますが、以上、囲碁が由来の言葉/日常生活に根付いていた囲碁というお話でした。
※言語の由来は、諸説あるので、あくまでこういう由来があると言われているという言葉を集めています。

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