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4年に1度!囲碁のオリンピック!?世界一をかけた「応氏杯」のパブリックビューイングに潜入しました。#一力遼世界一

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皆さん、今年はパリオリンピックで日本選手のメダルラッシュが続き、日本中が熱気に包まれた夏でしたね!
実は…囲碁においても、オリンピックのように4年に1回開催される大きな世界大会があることをご存知ですか?
今年は、世界一を決める大会「応氏杯(おうしはい)」が中国で開催され、なんと日本代表の一力遼棋聖が決勝進出を果たしました!
今回は、世界一を決める熱い激闘と、囲碁ファン総出で応援するパブリックビューイングの様子をお届けしたいと思います!

目次

国際棋戦「応氏杯」とは?
一力棋聖、勝てば19年ぶりの世界一!
みんなで応援!パブリックビューイング!
第3局目スタート!
推し活・お揃いTシャツの一力棋聖応援団へインタビュー!
SNSでもトレンド入り!
結果はいかに…?

国際棋戦「応氏杯」とは?

応氏杯とは4年に1度、オリンピックイヤーに合わせて開催される囲碁の国際棋戦です。世界一を決める決勝戦は、五番勝負で行われ、先に3勝した選手の勝ちとなります。
持ち時間は両者に3時間30分ずつあり、時間を使い切った場合は、相手にペナルティとして2目支払うことで、時間延長ができる特別ルールで進められます。
優勝賞金は、40万ドル!日本円で約5700万と超高額であり、世界中から注目を集めているのも納得です!

一力棋聖、勝てば19年ぶりの世界一!

今回の五番勝負のうち、先に2本先取したのが一力棋聖。第3局で勝つことができれば、世界一の座に輝きます。ここで世界一を争っている両選手についてご紹介。

まず日本選手の一力遼棋聖は、現在日本にある七大タイトルのうち棋聖・本因坊・天元の3つを獲得している日本を代表する選手です。

続いて、中国選手の謝科(しゃ・か)九段は、前回の応氏杯でも決勝戦まで勝ち上がっている実力者。囲碁が盛んな中国においても様々な大会で成績を残している世界トップレベルの選手です。

写真左:一力遼棋聖(日本)、謝科九段(中国) 写真右:対局に集まる多くの報道陣

みんなで応援!パブリックビューイング!

応氏杯は中国開催のため、日本からの応援は届きにくい…そんなイメージがありましたが、今回は、囲碁の総本山である日本棋院にて、パブリックビューイングが開催されました!サッカーやラグビーだけでなく、囲碁でも開催されるのは驚きですね!

写真左:参加者には、一力棋聖応援用の特製うちわが配られ、応援体制は万全です!
写真中央:売店では応援Tシャツやその他グッズが販売されていたり、たくさんの応援ポスターが貼られていたりと、今大会に向けての気合が伝わってきます。
写真右:一力Tシャツを着て応援する小さなファン、将来の棋士かも

自宅から対局を観戦することもできますが、こうしてみんなで集まると、実際に碁盤に並べてみたり、リアルタイムでドキドキ感や喜びを共有できたりする、楽しさがありますよね。また解説がついていると分かりやすく、少しでも対局者の気持ちに近づけることもパブリックビューイングの魅力の一つです。

第3局目スタート!

第3局目の大盤解説は、19年前の2005年に世界戦で優勝し、世界一に輝いた張栩九段と、囲碁漫画で有名な「ヒカルの碁」を監修された大人気女流棋士、吉原由香里六段のお二人で解説が始まりました。

写真左:吉原由香里六段と張栩九段 写真中央:豪華な解説陣に聞き入るお客様
写真右:本気の解説にジャケットを脱ぐ張栩九段

囲碁界においては、AIが非常に発達しており、その実力は数年前に人間を越える域に至りました。そのため最近はAIの判定を見ながら解説が進められることが多いです。

解説途中では一力棋聖の一手がAIの判定と一致し、歓声が上がる場面もありました。勝負所では、一力棋聖から厳しい一手が炸裂し、解説者からは「おおーーー!いった!いった!」と声が上がり、会場から拍手が起こります!盛り上がっているところへ、特別ゲストで上野愛咲美立葵杯、林漢傑八段、柳原咲輝初段、横塚力七段、牛栄子四段、蘇耀国九段と豪華プロ棋士が続々登場!

様々な豪華棋士たちの解説を聞くことができ、会場のみなさんも大満足な様子でした!

写真左:豪華棋士たちから色紙が抽選でプレゼント!
写真中央:左から林漢傑八段、柳原咲輝初段、上野愛咲美立葵杯
写真右:吉原由香里六段、蘇耀国九段の飛び入り解説の様子

一力棋聖は、勝負所でしばらくの考えた後に、相手の大きな石を攻めにいきました。AIでも正確に判断がつかない難解な形になり、会場はどよめきます。しばらくすると、AIの判定は一気に中国側に傾き、一力棋聖は劣勢に。

しかし、囲碁は最後の最後まで何が起こるか分からないゲームです。
まだまだ勝敗はどちらに転ぶか分からない状況で、会場の皆さんは、固唾を飲んで対局を見守ります。

果たして、結果はどうなるのでしょうか…?

推し活・お揃いTシャツの一力棋聖応援団へインタビュー!

大盤解説の休憩時間には、水色と白色の応援Tシャツを着た一力棋聖応援団の皆様にインタビューをさせていただきました!

ーー世界一まであと一勝のところまでやってきました。ファンとしてのお気持ちと、一力棋聖への応援メッセージをお願いします!
「今日もはじめから、安心して観戦しています。世界戦が盛り上がっていて、嬉しい!今日も絶対勝つと信じて応援します!」と気合十分のお声や「一力先生は、連日対局が混み合っていて、体調が心配です。一力先生の体調のためにも、今日勝って体を休めてもらいたい!」とハードスケジュールな一力棋聖を心配する声もありました。
また「今大会を通じて、一力先生の精神的な成長をすごく感じて、才能が開花している過程を見ているようです。解説をされている張栩先生からも世界を取れるのは一力だと言われているのを知っていたので、それが目の前で実現しようとしていることに感動します。」とファンの皆さんも一緒に一力棋聖の成長を感じながら、見守っているようなニュアンスも感じられました。
インタビューにお答えいただく中では、ファンの方が涙ぐまれるシーンもあり、一力棋聖への熱い想いが溢れるインタビューとなりました。
このように一力棋聖が世界一になる瞬間を一緒に応援しようと、福岡や名古屋など全国各地から多くのファンが、日本棋院に集まりました。

SNSでもトレンド入り!

今回の応氏杯は「#一力遼世界一」でSNSにてトレンド入りするほど、注目を集めていました。

SNSには、一力棋聖へのファンアートや応援メッセージなど様々な発信で、たくさんの応援が寄せられ、日本棋院が運営しているYouTubeチャンネルにおいても、約4500人もの方々がライブ配信に集まりリアルタイムで観戦していました。
写真左:日本棋院YouTubeチャンネル、解説者は蘇耀国九段

結果はいかに…?

結果はなんと!一力棋聖が奇跡の逆転勝利!世界一に輝くという偉業を成し遂げました!!!

途中から一力棋聖の劣勢が長く続きましたが、最後の最後で巡ってきたチャンスを掴み、相手の大石を仕留めての大逆転勝利です!会場で映し出されているスクリーンに勝利マークがついた瞬間に、会場からは「きゃーーーー!!!」という歓声と同時に大きな拍手が沸き上がります!!!同時に解説者からもガッツポーズが飛び出しました!!

9時間以上の長時間に渡り配信されていたYouTubeライブ配信においても、勝利が決まると解説者はハイタッチ!コメント欄も祝福の声で溢れました。

写真:日本棋院YouTubeチャンネル、林漢傑八段と蘇耀国九段のハイタッチ!

これは、オリンピックの卓球で日本が中国を制したような歴史的快挙だと言えます。

一力棋聖の師匠でもある洪清泉四段は、檀上へ駆け上がり「一力が世界一になったよ! ウォー!」と叫び、続けて「20年前に私が日本にきた理由が、今日わかりました。」と一言。会場からの拍手と歓声で包まれます。この奇跡の大逆転は、SNSでも大きな盛り上がりを見せ、一力棋聖を祝う言葉は8000ポストを超えるほど投稿され、次の日には各メディアにも大きく取り上げられました。

AIが発達し人間を超えたといわれる時代ですが、人間同士の戦いは世界トップレベルにおいても、お互いにミスが起き、ドラマが起きる、だからこそ面白い!そんな人間らしさを感じる激闘の一局だったかと思います。

家族や恩師、棋士仲間、囲碁ファン、多くの人の想いを背負った戦いは、日本中へ勇気と感動を届け、幕を閉じました。一力棋聖、本当におめでとうございます!

囲碁はいつからでも、誰でも楽しめるゲームです!

この熱い戦いを見て、囲碁に興味を持った皆さん、ぜひ一緒に囲碁をはじめませんか?

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