今年も囲碁に打ち込む高校生たちが、1年で1番熱くなる日がやってきました。
全国高等学校囲碁選手権、通称「高校選手権」。高校生たちの大舞台のため「囲碁の甲子園」と呼ばれています。3月には春の選抜大会も行われているので、本当に高校野球みたいですね。
今回はそんな高校生たちの熱き戦いをお届けします。
目次
高校選手権とは
熱き舞台へ
予選リーグ開始
休憩時間の様子
白熱の決勝トーナメント
名門校が多いけど、囲碁が強い人は頭もいいの?
思い出ギャラリー
高校選手権とは
高校選手権は昭和52年(1977)に始まり今年で50回。そのため記念グッズが作られています。歴代優勝校には、灘、開成、麻布といった名門校が多いのも特徴です。
毎年7月の末から8月頭のどこか3日間の開催で、1日目と2日目の午前が団体戦、2日目の午後からと3日目に個人戦が行われます。男女にわかれて各都道府県の代表を決めて、全国大会は東京市ヶ谷の日本棋院に、日本一を決めるべく集まります。
運動部とかわりなく、特に団体戦では顧問の先生やコーチ、チームメイトとの振り返りや、他校の戦力分析、メンタルケアも行われ、かなり本格的。笑顔あり、涙ありの青春を感じさせる大会です。また昨年度よりSNSでも積極的に出場校紹介などが展開されているのも特徴です。※ページ下部にリンクあり
それでは、今回は団体戦に潜入してきました。
熱き舞台へ

まず会場に入ると多くの高校生と関係者たちであふれていいました。
対局会場は2階と3階ですが、開始前、集合場所になっていたり、受付のある1階は通るのもやっとの人混みです。


写真:会場には協賛のブルボンの商品の展示とイオン水が提供されました


写真:昨年優勝校の優勝旗返還(左)と代表者による選手宣誓(右)
予選リーグ開始
まずは予選リーグ3回戦から始まります。1回負けても3局は必ず打てるというところが、負けたら終わりのトーナメント違う魅力。参加校によっては予選リーグで1勝や、1人が1勝など、優勝を目指す以外にも、それぞれの目標に向かって大会に臨みます。


写真:男子の会場の様子(左)、女子の会場の様子(右)


写真:制服の学校が多いが、独特のユニフォームの学校も
会場は男女あわせて300人を超す選手で埋め尽くされています。男女ともに50校以上。それぞれが盤上に向ける熱意は、まさに青春の証。
自分の対局が終わっても、仲間の対局を見守るのは団体戦ならでは。
決勝トーナメントに進めるのは男女各8校ずつ。枠抜けを果たすのはどこの高校に!
休憩時間の様子

予選リーグが2回戦まで終わると、昼食などの休憩に入ります。3回戦終わると、決勝トーナメントの進出校は抽選があるが、予選敗退校はそこまでになります。勝ち残っている学校やそれ以外の学校の休憩時間や終了後は、それまでの熱気や緊張から解放されるひと時であり、さわやかな時間です。
会場を歩いていると過ごし方は様々。



写真左:売店で記念にお買い物
写真真ん中:午後に向けて食事で元気に
白熱の決勝トーナメント
予選リーグを勝ち抜き、いよいよ男女8校ずつによる決勝トーナメントです。ここまで残っているのは強豪校。予選リーグでは、目標1勝や、日本棋院に来られて嬉しい、全国の友達に会える、作れるといった雰囲気もありましたが、ここまでくると「優勝」の二文字を目指し、会場の空気も緊迫したものになっていきます。
それは抽選の場でも伝わってきました。
春の選抜優勝の開成高校と中学時代に活躍していた選手が集まった1年生3人の新勢力ながら優勝候補と見られている巣鴨高校が1回戦で激突。抽選序盤だったこともあり、どよめきが挙がり、両校選手の表情が一気に変わりました。ちょっと怖いぐらいでした。


まずは男子です。優勝候補同士の対決「事実上の決勝か!」と言われた開成対巣鴨は、主将戦は開成が勝ちましたが、巣鴨の勝利で準決勝進出。開成の春夏連覇はなりませんでした。
そのまま優勝に突き進むかと思われましたが、昨年の準優勝校である春日部高校が巣鴨を降し決勝に進出しました。もう一方は、最多出場、最多優勝を誇る灘高校が決勝に上がってきました。
両校の戦力分析は、春日部高校は主将と副将は元院生の高段者、特に主将は個人でもトップを狙える実力者。三将は級位者だといいます。対する灘高校は3人ともそれほど実力差が無く高段のバランスがとれたチームです。
前評判としては主将は春日部、三将は灘で副将勝負になるだろうとの予想。そしてその通りであり、主将、三将はお互いに完勝の内容。そして副将戦ですが、春日部の副将がほぼ勝ちに手がかかっていました。最後の瞬間、とんでもないミスで大逆転、優勝は灘高校となりました。

灘高校は41回目の参加、10回目の優勝となります。
「中学の活躍に刺激を受けました」とコメントした選手たち。1週間前の中学校の団体で灘中学校が全国優勝していました。
写真:優勝インタビューを受ける灘高校のメンバー
男子団体戦は灘高校の優勝で幕を閉じましたが、準優勝の春日部高校は個人戦で続きがあります。主将を務めた横山蒼大くんが個人戦で優勝。本人は団体、個人あわせて13戦無敗という快挙。
個人戦優勝後のコメント「団体戦ではチームを優勝に導くことができなかった。負けた2人のためにも個人戦では頑張りたいと思った」
個人戦の会場には、主将を見守る他の選手や後輩の姿もあり、優勝が決まると、「横山やった!」「やっぱり先輩すごい」と春日部高校のみんなから歓喜の声が聞かれました。個人戦ではあったけれど、団体戦と同じメンバーの絆を感じました。
女子の決勝に進出したのは、昨年優勝の愛知県代表・南山高校と、一昨年優勝の東京都代表・白百合学園。昨年の決勝と同じになりました。
今年も南山高校が優勝し連覇達成となりました。
主将コメント「全員3年なので、最後にみんなで優勝できてうれしい。決勝トーナメントは個人で勝つことができなかったので、副将、三将が頼もしく思った」


写真左:決勝の主将戦は会場で中継されました
名門校が多いけど、囲碁が強い人は頭もいいの?
「囲碁をすると頭が良くなる」とか、「頭がいい人は囲碁が強いの?」とかよく聞くけど、これって本当なのだろうか?
脳が活性化するということは研究されていますので、脳に良いということは言えると思います。しかし、ここで気になるのは勉強ができるようになるかということではでないでしょうか。現に高校選手権の過去の優勝校や入賞校を見ても、灘、開成、麻布など名門校が多い。
囲碁が強くなるには「好奇心」と言う人もいます。なぜ?と思えるところから上達が始まると言います。勉強も知りたいことをとことん考えたりすることで理解が深まったりします。こつこつ飽きることなく続ける。
「頭がいい=勉強ができる」ということであるなら、学校の勉強ができない子でも囲碁が強い子はたくさんいます。なので、「自分の学びたいことは楽しい」ということが一番大事事なのかもしれませんね。
思い出ギャラリー











リンク
第50回 全国高等学校囲碁選手権大会 特設ページ https://www.nihonkiin.or.jp/event/amakisen/highschool-gochampionship/50/index.html
◆Xでの出場校紹介ショートムービー
第1回は愛媛県立新居浜西高等学校
第2回は神戸女学院高等学部
第3回は岡山大安寺中等教育学校
第4回は滋賀県立虎姫高等学校
第5回は甲陽学院高等学校
第6回は駒場東邦高等学校
第7回は大阪国際高等学校
第8回は宇都宮高等学校
第9回は開成高等学校
10回は埼玉県立春日部高等学校
第11回は秋田県立秋田高等学校
第12回は青森県立八戸北高等学校
栄冠は君に輝く めざせ囲碁の甲子園
【VRで体験する囲碁殿堂資料館】
https://www.nihonkiin.or.jp/special/vr-igodendou/index.html
【次世代囲碁アプリ「囲碁シル」】
https://www.nihonkiin.or.jp/news/release/115.html
【囲碁アプリ「囲碁であそぼ!」】
囲碁を楽しく覚えられる、新感覚学習ゲーム「囲碁であそぼ!」 | 囲碁学習・普及活動 | 囲碁の日本棋院 (nihonkiin.or.jp)