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市ケ谷は「囲碁」の「聖地」!?
歴史・文化を感じる囲碁殿堂資料館!!

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東京都の千代田区にある「市ケ谷」と「囲碁」との関わりが深いということは、意外に知られていません。
千代田区は、もともと江戸城のあった日本の中心地。
江戸城の別名である「千代田城」に由来し、当時は、武家屋敷が立ち並んだ城下町でもありました。現在でも、中央に皇居を構え、国会議事堂や霞が関など、日本の政治・行政・司法の機能が集約している土地でもあります。
「そんな千代田区の市ヶ谷で囲碁?」と思われる方は、きっと多いと思います。
しかし、この地は、囲碁の総本山である「公益財団法人 日本棋院」が存在し、日本の文化として「囲碁」の歴史を紡いできた場所でもあるのです。

そんな博物館・資料館好きにはたまらない都心の文化スポットが、今回訪れる「囲碁殿堂資料館」。
JR市ケ谷駅から、歩いて数分の場所に「囲碁殿堂資料館」はあります。
ちなみに、市ケ谷駅の改札の手前の床には、大きな囲碁のモザイクアート「長生(ちょうせい)の図」が設置されており、囲碁との関わりの深さを感じさせますね。

JR市ケ谷駅の長生の図
※JR市ケ谷駅の長生の図

多くのプロ棋士が所属し、囲碁の対局をしている場所が「日本棋院」です。

日本棋院創立100周年

知る人ぞ知る歴史的名勝負が行われた場所でもあります。
週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画「ヒカルの碁」では、この駅周辺の景色や日本棋院の様子が作中でいくつも登場しています。
連載終了から20年以上経った今でも人気の作品で、今でもこの市ヶ谷周辺を特別視するファンも多いです。中には聖地巡礼のように感じている人も。
スマホで撮影している人も、度々見受けられます。

市ヶ谷駅

そんな市ヶ谷駅から歩いてすぐの「日本棋院」の「地下一階」に、今回訪れる「囲碁殿堂資料館」が。

囲碁殿堂資料館内

入館は無料で、誰でも自由に見学することができる資料館です。

歴史的価値のある展示の数々

004年に日本棋院80周年事業の一環としてオープンした「囲碁殿堂資料館」。
偉大な先人達や囲碁文化を咲かせた数々の歴史を振り返り、かつ未来に向かって囲碁文化のさらなる発展を導くために殿堂者顕彰・企画 展示をしている施設です。
館長の齊藤譲一さんにお話をお聞きしました。

館長の齊藤譲一さん
囲碁の殿堂受賞者をバックに齊藤さん

――どのようなものを展示しているのでしょうか?

齊藤: 囲碁の盤石で貴重なもの、囲碁の歴史がわかるもの、そして、囲碁の芸術作品などが展示されています。

――初めていらっしゃった方に、是非見てもらいたい、齊藤さんがオススメの資料はありますか?

齊藤: スペースシャトル船内で対局された時の碁盤ですね。

スペースシャトル船内で対局された時の碁盤資料

日本や世界だけでなく、宇宙でも打たれる「囲碁」の偉大さを感じます。
※1996年(平成8年)、スペースシャトル船内で、宇宙飛行士の若田光一さんが宇宙で初めての試みとして「囲碁」を楽しみました。宇宙では無重力のため、シールの碁石を使用。若田さんは同乗する米国人宇宙飛行士が囲碁好きと聞き、日本棋院に囲碁を習いに来て、宇宙囲碁対局を実現させました。

――当時のニュースは私も知っています、ここにあったんですね!

齊藤: そうなんです。囲碁関係者でも意外と知らない人は多いと思います。

――沢山の展示物がありますが、他に見てもらいたいものは?

齊藤: 

囲碁を知らない方にも伝わるんじゃないかと思うのが、こちらのガラスの碁盤です。
光学ガラスメーカーの(株)オハラさんが、インテリア分野進出への試作品として作ったものです。ガラス会社の技術力を証明するために制作されたと聞いています。厚みがあるのに気泡がなく透明感を持たせる技術は並大抵のものではありません。

ガラスの碁盤

見る角度によって、光の入り方も幻想的な作品です。実は重さが90キロ以上あるので、囲碁を打つには、あまり実用向きではないのですが(笑。

――他にも囲碁の殿堂資料館ならではの、沢山の展示物がありますね。

齊藤: そうですね。日本の歴史に「囲碁」が深く関わっていたことがわかると思います。

中国の碁盤を模してつくられた碁盤

こちらは中国の碁盤を模してつくられたものです。囲碁は最初は大陸から、仏教の伝来と共に伝わったと言われていますね。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など戦国武将で囲碁を嗜んでいた人は数多くいました。
囲碁の殿堂表彰をされている「徳川家康」は今日の日本のプロ制度の土台を築いたと言われる人物で、囲碁の棋士に禄(給料)を与え、文化としての囲碁を手厚く保護したと言われています。
江戸文化の中に「囲碁」が根付いていたことも、当時の浮世絵からも見て取れます。

囲碁が描かれた浮世絵

――最後に、齊藤さんから殿堂資料館に来てみたい方に一言お願いします。

齊藤: 囲碁は長い歴史があるだけでなく、昔から庶民に楽しまれており、文学作品にも多数登場していました。
展示を見てもらって、囲碁が、私たち日本人にとって、とても身近なものだということをもっと知ってもらいたいですね。
囲碁は中国を発祥とし、中国から日本に伝わりました。しかし、囲碁を文化として発展させ世界に広めたのは実は日本なんです。
是非、一度、囲碁の殿堂資料館に足を運んでみて下さい。

【基本情報】
住所:〒102-0076
東京都千代田区五番町7-2 公益財団法人 日本棋院 地下1F
電話:03-3288-8601
入館無料
午前11時~午後5時( 入館は午後4時30分まで )
※ 月曜日休館
※ 月曜日が祝日の場合はその翌日
※ 年末年始、その他臨時休館する場合があります
協力:大阪商業大学アミューズメント産業研究所
囲碁殿堂資料館リンク:
https://www.nihonkiin.or.jp/profile/sisetsu/dendou/

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