©ほったゆみ・小畑健/集英社 ©歌絵巻「ヒカルの碁」製作委員会
大人気漫画「ヒカルの碁」を原作とした舞台作品『歌絵巻「ヒカルの碁」序の一手』が今年の夏に上演されます。
ドラマや舞台・映画などで囲碁を打つシーンがあるときに、日本棋院では囲碁文化の正しい継承の一環として出演者・スタッフの方に向けて囲碁文化や所作の指導を行っています。
今回もキャストのみなさんに囲碁について知ってもらうため、囲碁殿堂資料館や幽玄の間の見学や、プロ棋士の指導によるワークショップを実施しました。
目次
ワークショップに潜入!
今回はワークショップに潜入し、キャストのみなさんの様子をお届けいたします!
6月初旬、歌絵巻「ヒカルの碁」の稽古が始まりました。イゴセカスタッフが潜入したのは2回目の「囲碁入門教室」です。教室ではプロ棋士である田尻悠人五段の指導にて、キャスト同士の対局や白黒に分かれてのチーム戦「連碁」を行いました。
2回目とは思えない白熱した戦いが繰り広げられていました。
キャストインタビュー
「囲碁入門教室」の後、進藤ヒカル役・糸川耀士郎さん、藤原佐為役・小南光司さん、塔矢行洋役・広瀬彰勇さんにお話を伺いました。
――今日は皆さん楽しそうに囲碁を打たれていましたね。舞台が決まるまで囲碁の経験はなかったとのことですが、今回初めて囲碁に触れてみてどうですか?
糸川:「難しいものという先入観があったので素人が手を出しても学べないものだと思っていましたが、初心者でも簡単なステップから始められます。初心者でもこんなにエキサイトできるものだと知らなかったです。ゼロから囲碁を学んで、楽しんでいます」
小南:「ヒカルの碁が流行っていたし、小学生のころ学童でやっている子を見ていたけど当時はルールがわからなかったんです。でもヒカルの碁を見ていて1手1手で戦況が変わっていく展開の速さを知っていたので、実際に9路盤でやって1手の大きさを感じたり、教えてもらった言葉を使ったりしながら楽しんでいます」
広瀬:「9路盤からやってみましたが難しいです。2手3手先が読めないし、取ることだけに集中するのも違うし、先を読むゲームだなと思います。子どもの頃に覚えていたら人生変わっていたかもしれないですね。人生のいろいろな局面でも先を読むことができていたかもしれないと思いました」
――囲碁を実際にやってみて、楽しかったですか?それとも難しかったですか?
小南:「楽しいです。対局なので、相手とやるじゃないですか。負けたら悔しいし勝ったらめちゃくちゃ嬉しいからそこが純粋に楽しいです。負けたらあそこの1手がどうだったんだろうかと考えて、でもまだ選択肢が自分の中にあまりないので、それを増やしていければもっと楽しいのではないかと思います。頭の中にスーパーコンピューターが欲しいです(笑)。囲碁の知識を広げていくのが楽しいです」
広瀬:「難しいところに踏み込んでいく楽しさがあります。何千年と続いている歴史も感じるし、1手で局面が変わっていく奥深いところを感じています。もっと楽しめるようになりたいです」
糸川:「難しくて、こういけばよかったと考えるのが楽しいです。小南さんのいうように、『1手でこんなにかわるんだ』と思います。自分はここがいいと思ったけど、田尻悠人五段の解説を聞いて別の1手でこんなにアゲハマ※取られたりするんだと気づくことができたらめちゃくちゃ楽しめます!」
※アゲハマ:対戦中に取った相手の碁石
――『歌絵巻「ヒカルの碁」序の一手』に出演が決まったときのお気持ちや意気込みを教えてください。
糸川:「うれしい気持ちよりも不安の方が大きかったです。2.5次元をやるときに重視するのは原作ファンの方が見に来た時に目の前で「生きている」と思ってもらうことなので。そのキャラクターになりきれるのか、人生を背負えるのかと考えた時に、30歳を過ぎた自分が小学生6年生のヒカルになりきれるのか、原作ファンの方に受け入れてもらえるのかという不安があったので悩みました。でも、これだけ多くの人に愛されている作品に選んでもらえたことに感謝したし、「歌絵巻」という挑戦の場に選んでもらえたことに対して役者として自分の力を試したい、成功させたいと思ってお受けしました」
小南:「佐為という役は自分が計り知れない歴史を持っている人物なので、そこに至るまでの佐為としての厚みを作っていかないと!と思います。それがあることによって、佐為の指示や言葉に説得力が増していって、ヒカルに影響を与えていけると思うので、いまも模索中です。囲碁みたいに難しいけど、考えている時間が楽しいです。僕はもともと原作を知っていて、佐為という役の重要性を知っていたので、普通の人間ではない佐為の異様さを体現できるように頑張りたいと思います」
広瀬:「形から入ろうとすればいろいろできますが、日々熾烈な盤上での戦いに身を置いているプロ棋士の方は若くしても品格というかオーラを持っていると感じています。名人の役として形だけでなくそのオーラも体現できたらと思います。今日幽玄の間に座らせていただいて、勉強になりました」
――『歌絵巻「ヒカルの碁」序の一手』を見に来るお客様には囲碁を知らない方、やった事がない方も多いと思います。そんなファンの方々に向けて一言お願いします。
糸川:「僕自身も、アニメなどで知った世界に興味を持つことがあります。歌絵巻「ヒカルの碁」を見てもらうことが、囲碁を習ってみようかなと思う切っ掛けになれたらいいなと思います。あと、「歌絵巻」ということで歌があります。音楽のもたらす力は無限だと思っていて、音楽次第で作品が良くなったり悪くなったりするものだと思います。今作では音楽がまた囲碁にドラマをもたらしてくれていると思います。化学反応で囲碁にドラマを与えられると思うので、ぜひ見ていただけたら囲碁に触れ合う一助になると思います」
小南:「舞台をみて興味を持ってもらえたら嬉しいし、僕らキャストに挑んでもらってもいいです(笑)。僕らと一緒に囲碁を打ちましょう!一度「囲碁であそぼ!」(日本棋院公式のゲームアプリ)をDLしてください!チュートリアルだけでもプレイすると、ヒカルの碁も見やすくなると思います」
広瀬:「ミュージカルの話自体は囲碁を知らなくても楽しめるようになっていますが、わかったらさらに理解できると思います。囲碁の対戦のシーンばっかりではないので、ヒカルとアキラと佐為と塔矢名人が繰り広げる人間ドラマとしてみられる作品だと思います」
――貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
キャストの皆さんは一通り「囲碁であそぼ!」をプレイされているようです。ファンの皆さんにも強くおすすめされていました。
『歌絵巻「ヒカルの碁」序の一手』を見る前に、皆さんもぜひ一度囲碁に触れてみてはいかがでしょうか?
【公演情報】
歌絵巻「ヒカルの碁」序の一手
公演日時:2024年7月5日(金)~14日(日)
会場:サンシャイン劇場
〒170-8630 東京都豊島区東池袋3丁目1-4 サンシャインシティ 文化会館4F
ACCESS
公式HP:https://www.hikarunogo-stage.com/
キャストの皆さんおすすめの囲碁アプリはこちら!
【囲碁を覚えられる無料のアプリ!】「囲碁であそぼ!」
囲碁を楽しく覚えられる、新感覚学習ゲーム「囲碁であそぼ!」 | 囲碁学習・普及活動 | 囲碁の日本棋院 (nihonkiin.or.jp)
【日本棋院公式YouTube】動画でわかる囲碁入門(9路盤編)
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