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日本のエース棋士!一力四冠の本因坊就位式へ潜入!

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本因坊』といえば人気囲碁漫画ヒカルの碁にも登場した『本因坊秀策(ほんいんぼうしゅうさく)』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
本因坊秀策は実在した人物であり、囲碁の基礎を築いた天才棋士 として現在も語り継がれています。
囲碁界においても、ボクシングのようなタイトルマッチが7つ存在しており、そのなかでも
最も歴史が古いのが「本因坊」です。

今回は、そんな「本因坊」のタイトルを防衛した一力本因坊(棋聖・名人・天元)の就位式に行ってきました。本因坊とは何か?天才棋士と言われる一力本因坊とは何者なのか?その秘密に迫っていきたいと思います!!

目次

一力本因坊は、何者なの?

一力本因坊を一言で表すと、才能と努力の天才棋士。
その実力は世界トップレベルであり、9月には「応氏杯」という世界大会にて優勝し世界一を獲得しました。
それに加えて今年は、河北新報社取締役に就任し、経営とプロ棋士の「二刀流」を実現しています。
よく「天は二物を与えず」と言いますが、そのことわざを大きく超越するいくつもの才能を持ち合わせながら、最後は努力で勝利を掴み取る、まさに才能と努力の天才棋士という言葉がふさわしいのではないでしょうか。
そのような一力本因坊の才能、そして努力する姿に、多くの囲碁ファンが心を震わせました。

写真:椿山荘にて、就位式開催
写真左:椿山荘にて、就位式開催、写真右:挨拶をする一力本因坊

本因坊のタイトルをどう勝ち取った?

では、本因坊のタイトルはどのように勝ち取ったのでしょうか?

その舞台は、昨年の本因坊戦最後の7番勝負。当時12連覇を目指していた本因坊文裕(井山裕太王座)を4勝3敗とフルセットの大接戦の末に下し、初めて本因坊のタイトルを奪取したのです!
そして今年、本因坊戦の新たな挑戦者として現れたのが、余正麒(よ せいき)八段。ここでも
3勝ストレートで勝利し、タイトルホルダーの力を見せつけながら初防衛を果たしました。

写真:本因坊戦

江戸期から続く、一番歴史が長い称号「本因坊」って?

さて今回、一力本因坊が防衛したタイトル「本因坊」って、なんだか歴史がありそう・凄そうな感じの称号ですよね。

でもホントのところはよく分からないという方に簡単にご説明します!

徳川幕府時代に囲碁の家元制度があった頃、四大家元の一つが「本因坊家」でした。
開祖は京都の寂光寺塔頭本因坊、囲碁の達人の僧侶日海(にっかい)。後に本因坊 算砂(さんさ)と名乗ります。本因坊家は世襲制で昭和初期まで二十一代(本因坊 秀哉)続きました。そして世襲から実力主義に、昭和11年に新聞社主催の棋戦のタイトルに最強を表す称号「本因坊」が復活。名実ともに一番歴史の長いタイトルを継承しています。復活した称号「本因坊」を得た棋士は現役中に5連覇すれば「」が付けられます。近年では国民栄誉賞の井山裕太王座が「二十六世本因坊 文裕(もんゆう)」という号を得ています。号の名付け親は本因坊ゆかりの京都寂光寺の住職で、文殊菩薩の「文」と裕太の「裕」からとのことです。伝統歴史を感じさせる「号」を名乗れるのは実力もさることながら、特別で名誉あることなんですね!そして京都に赴かれた際には是非、寂光寺の算砂の墓前にお参りされることをお勧めします!囲碁の奥深さを実感出来ること間違いなし!

写真:囲碁「本因坊」発祥の地高札

写真左、中央:本因坊家世系及免許録(表紙、中面)、写真右:棋院本因坊家系図
(資料協力:囲碁歴史研究会【囲碁史会】)

恩師登場!?本因坊就位式のレポート!

就位式は和気藹々とした雰囲気の中でアナウンスとともに開会しました。主催者の挨拶後に、武宮陽光日本棋院理事長から、允許状(いんきょじょう)が授与され、会場は盛大な拍手に包まれました。

写真:允許状授与と会場の様子

また今回の本因坊就位式では、初代本因坊算砂が住職を務めた京都本因坊本山「寂光寺」にて、特別につくられた本因坊盾が披露されました。

写真:本因坊盾

この盾には、初代本因坊算砂からはじまる400年の歴史が刻まれています。 寂光寺副住職・大川孝瑛様からは「一力本因坊はじめ新たな棋士たちと一緒に、本因坊戦をさらに盛り上げ、後世に残るような素晴らしい棋譜に期待している」とメッセージが送られました。

写真左:スマートフォンの贈呈(協賛企業・大和証券・常務取締役鈴木直樹様)
写真右:寂光寺・副住職・大川孝瑛様

また、今回の祝辞では一力本因坊の中学・高校時代の恩師、中野達也先生が登壇しました!
専門は英語であり、世界に羽ばたく一力本因坊の英語力に少しでも関われて嬉しいと語りました。学生の頃から、音楽のセンスや運動神経も抜群な印象とのことで、恩師でしか知り得ない学生時代のエピソードを交えたお祝いのメッセージに会場も盛り上がりました。

写真左:恩師、中野達也先生

就位式には、多くの棋士がお祝いに駆けつけました!

会場には多くのプロ棋士がお祝いに駆けつけていました。一力本因坊が小学生時代から修業した囲碁道場の師匠、洪清泉(ほん せいせん)四段をはじめとする棋士仲間たちの笑顔が弾けます。

写真左:洪清泉四段、写真中央:幼い頃から切磋琢磨した棋士仲間も喜びの表情!

写真右:過去、本因坊の座を争ってきたレジェンド棋士たちも参加!
写真左:楽しそうな笑顔!

推し活インタビュー!ファンにとって、一力本因坊の魅力とは?

就位式が終わると、懇親会が始まりました。会場前方には、なにやら一段と熱気に包まれているテーブルがあり、近づいてみると…そこには、一力本因坊ファンの皆さんが集っておりました!熱気に包まれている理由が分かります!

今回は、その中でも最近囲碁に出会って、一力本因坊のファンになったというお2人に直撃インタビューをさせていただきました!

囲碁と将棋の二刀流!観る碁で楽しむMさんインタビュー!

1人目は、観る碁兼将棋プレイヤーでもあるMさん!一力本因坊のファンになったのは、今年に入ってからとのことでした。一力本因坊を知ったきっかけは「情熱大陸」というテレビ番組。そこでは一力本因坊の苦難の道が描かれており、そのような歴史を知ったうえで今年、応氏杯にて世界一の快挙に挑もうとしている姿に、感情が動かされ一気にファンになったとのことでした。

「一力本因坊のファン歴は浅いものの、ファンの皆さんが温かく迎えてくれて、とても楽しく観る碁と推し活ができています。最近は囲碁カフェで囲碁も習っており、流行りの二刀流で将棋と囲碁を楽しんでいます!」と一力本因坊を応援する気持ちがたっぷりと伝わるインタビューとなりました!

写真左:一力本因坊の座右の銘「而今(じこん:今を大切に生きる)」の応援うちわは、ファン仲間からのプレゼント!


続いて、素敵なお着物で参加されたYさんにもインタビュー!

Yさんが一力本因坊に出会ったきっかけは、1月5日の「囲碁の日」に開催された打ち初め式。たまたま日本棋院で一力本因坊とすれ違った際に、一力本因坊ご本人を知り、その謙虚な姿勢に惹かれたという。

そしてまた別の日に、Yさんが練習対局でボロボロに負けてしまった直後、偶然出会った一力本因坊が、さわやかな笑顔で挨拶をしてくれて「人としての温かさと人間性」に心を掴まれたとのことでした。

一力本因坊の囲碁の面だけではなく、人間性もファンを魅了している秘密の1つであることが分かりました。
囲碁への情熱とアイデアもたくさんお持ちのYさん、インタビューありがとうございました!

写真右:素敵なお着物のYさん

ファン歓喜!一力本因坊とのツーショットタイム!

懇親会の途中では、一力本因坊と一緒にツーショットを撮れる時間が設けられておりました。みなさん思い思いのポーズを一力本因坊にお願いして思い出を残します。 ファンにとっては、たまらない!ひとときですね。

限りある時間はファンとのひと時に

懇親会も終盤に差し掛かった頃、各テーブルを回っていた一力本因坊が、最後に行きついた場所はファンのテーブルでした。
ファンにとってはサプライズだったようで、「わーー」と歓声が上がります。
そんなファンの皆さんに囲まれる一力本因坊の表情も、なんだかホッとしているような、柔らかい表情が印象的で、限りある時間のなかでもファンとの時間を大切に過ごしているように感じました。
直接はお聞きできませんでしたが、きっとファンの応援は一力本因坊の力となり勝利を後押しするような存在なのかなと思いました。

人々を魅了し続ける囲碁がもつものとは?

さて今回は、本因坊就位式の様子をお届けいたしました!いかがでしたか?
400年の歴史がある本因坊の称号は、令和の現在もなお、棋士の間で争われています。
世の中に、様々なゲームが誕生しては消えていく中で、何千年と受け継がれ、1つの称号を得るために400年もの間、棋士たちが争い続ける背景には、囲碁がもつ奥深さと絶対的な魅力があるのだと思います。
このような歴史ある「本因坊」の座を極めるのは、一力本因坊なのか?はたまた、新世代の台頭でドラマが巻き起こるのか?今後の展開が楽しみですね!

みなさんも、奥深い囲碁の世界に飛び込んで、囲碁に魅了されてみませんか?

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