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囲碁でまちおこし?湘南ひらつか囲碁まつり1000面打ちイベントに潜入してきました!

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目次

囲碁でまちおこしって?
壮観!大迫力の1000面打ちをご覧あれ!
突撃!参加者インタビュー!
楽しい催し物も盛りだくさん!
囲碁を巡るアート展も同時開催!
木谷道場と内弟子制度
推し活!間近で交流できる懇親会
そんなこんなで「湘南ひらつか囲碁まつり」無事終了!


囲碁でまちおこしって?

皆さんこんにちは。本日は、囲碁のまちで有名な「平塚」が舞台です!

先日、この平塚の地で「湘南ひらつか囲碁まつり」という大規模な囲碁イベントが開催されました。平塚では囲碁でまちおこしをする取り組みもあるらしく、なぜそこまで囲碁が愛されているのか?どんな歴史があったのか?

今回は、イベントの様子とともに、そのヒミツに迫っていきたいと思います!
まず気になるのが、どうして囲碁がまちのシンボルになっているか?ということですよね。

それは、ズバリ!「囲碁の超名門」があったからです。昭和初期に、木谷實九段という囲碁棋士が平塚に囲碁道場を構えてから、多くの棋士を育成してきました。当時囲碁道場は他にもありましたが、そのなかでも何がすごかったかというと…木谷道場が輩出した囲碁棋士は瞬く間に囲碁界で活躍するようになったことでした。そんな背景があり、木谷實九段はじめ弟子の功績を讃えて、囲碁が平塚の地域文化資源として位置づけられたようです。囲碁がまちのシンボルになるくらいなので、木谷實九段が成し遂げた偉業は計り知れないことだったと想像できますね。

壮観!大迫力の1000面打ちをご覧あれ!

平塚駅の改札を出ると、囲碁まつりのノボリや詰碁ブース、湘南ひらつか織り姫がお出迎え!パンフレットや詰碁ペーパーを受け取って、湘南ひらつか織り姫と記念写真をパシャリ。とても温かい笑顔でお迎えいただき、嬉しい気持ちになりました。

写真上段:詰碁ウォーキング受付、写真下段:湘南ひらつか織り姫の皆様と

それから平塚の街をぶらぶらとお散歩しながら会場に向かってみると、突然!目の前にズラーーーーーと500台の碁盤が並ぶ、大迫力の囲碁ロードが出現しました!

一番端っこの碁盤は見えないほど遠く、こんなにたくさんの碁盤が並ぶ光景を見ることは滅多にないためとても驚きました。
通りがかりの人たちからも「これは一体何!?」と注目を集めていました。

そして、いよいよジャズの演奏とともにイベント開始のアナウンスが流れます。しばらく待っていると、ジャズの後に続いて棋士の皆さんが入場してきました。
囲碁ファンもカメラを構えてスタンバイ!シャッター音が止まりません!

参加棋士は、総勢77名の大行列!本日は天候にも恵まれ、温かい光がより一層、棋士の皆さんを輝かせ、多くの棋士を目の前に囲碁ファンの笑顔も弾けます!

そして今回はなんと、国民栄誉賞棋士の井山裕太王座(碁聖・十段・竜星)も参加されました。冒頭の挨拶では、ベテラン棋士の無茶ぶりに応える形で「最近では、若手の台頭で幸か不幸か暇でして。(笑)タイトル戦との兼ね合いで日程が調整できて、やってくることができました。」とユーモアのあるコメントを残し、会場からは笑顔と応援の拍手が送られました。

開会の挨拶が終わると、77名の棋士が自分の担当ブースに移動し、いよいよ皆さんお待ちかねの1000面打ちの1回目が始まりました。

このイベントは、1人の棋士が複数人と対局をする「多面打ち」という方法で、プロ棋士がぐるぐると回りながら対局を進めていきます。

少しすると前のほうからランダムで、タイトルホルダーの棋士が回ってくるというサプライズに歓声が上がります。
写真左:笑顔で対局する上野梨紗女流棋聖(三段)、写真右:ファンとの交流を楽しむ井山裕太王座(碁聖・十段・竜星)

写真左:一碁一会やサイン入りのオリジナルTシャツを着て参加する囲碁ファン、写真右:素敵な囲碁ハッピを着て観戦する、スタッフの後ろ姿

イベント参加者の真剣な姿や楽しそうな姿とともに、青空の下、果てしなく続く碁盤の道を棋士が歩く光景は、まさに壮観でした。

突撃!参加者インタビュー!

ここで1000面打ちイベントへ参加された方に、突撃インタビューをさせていただきました。

●ご夫婦で参加されたTさん

「青空の下で囲碁ができるのはとても気持ちよくて楽しかった!今日打った碁もいつもよりも、うまく打てた感じがしました。先生からもアドバイスを直接もらえ、自分の対局内容を褒めてもらえて、とても嬉しかったです!」

●囲碁友達と参加されたSさん

「活気のあるイベントで今回も楽しませていただきました!イベントの規模も大きく、まちの人々に囲碁をアピールできる機会になっていると思う。幅広い年代が参加しているため、たくさんの交流が生まれると思います!」


実際にインタビューをさせていただくと、対局やイベントを楽しんだという高揚感がさらに伝わってきました!素敵なコメントをありがとうございました。

楽しい催し物も盛りだくさん!

1000面打ちイベントの隣では、楽しい催し物も盛りだくさんでした。
はじめに、石倉昇九段の囲碁入門教室をご紹介!

こちらは、大人から子どもまで囲碁を知らない多くの方々が参加しており、参加者がブースの外まではみ出るほど大人気でした。小さな碁盤を使ってはじめての囲碁体験を楽しんでいる様子が伺え、初心者の方でも安心してイベントを楽しむことができそうです!


続いては、囲碁ボールコーナー!こちらは黒と白のボールを転がして、ボールを穴に停止させることで相手とのポイントを競うゲームです。勢いよく打ってしまうと、遠くへ転がってしまうため、力加減とコントロールが難しそうでした。

子どもから大人まで大盛り上がりでしたので、皆さんぜひ遊んでみてください!


少し進むと、囲碁グッズコーナーがありました!ここでは、棋士のイラスト入りバッチや、ボールペン、キーホルダーなど様々な囲碁グッズが販売されておりました。

特に棋士のイラスト入りバッチは、推し活にもってこいのグッズですね!

その隣には、平塚名産品コーナーがありました。
囲碁にちなんださまざまなお菓子が並び、なかなか見ることができない商品がとても新鮮で、思わず手が伸びてしまうこと間違いないでしょう!

写真左:湘南ひらつか囲碁まつり特製囲碁クッキー

なかでも大人気なのが「囲碁最中」です!
木谷實九段が愛した「和菓子司|鷺月堂」のお菓子で、平塚の方々にも愛される名店だとか。

店舗は平塚駅の近くにあり、帰り道に立ち寄ってみたところ、囲碁最中はすべて完売していたほどの人気でした。お目当ての方は、早めのご購入がおすすめです!

写真左、中央:和菓子司|鷺月堂、写真右:囲碁ポーズで記念写真

最中の中身は、白あんと黒あんになっていて、碁石がしっかりと再現されていました。
せっかくなので、囲碁ポーズで記念写真をパシャリ!
一口食べると優しい甘さが広がって、とても美味しかったです!美味しくて楽しい、素敵な思い出になりました。平塚に来た際には、ぜひご賞味ください!

催し物の最後は、大きな広場でのトークショーです!こちらではスケジュールが区切られており、トッププロによる囲碁講座、木谷實九段の歴史がわかる紙芝居、木谷門下トッププロによる座談会など、時間帯によって様々なイベントが開かれました。

強い日差しの中でしたが、どのイベントも満席で多くの方々で賑わっていました!

写真:木谷實九段の孫、小林泉美女流レジェンドよる紙芝居

(左)二十四世本因坊秀芳(中央)大竹英雄名誉碁聖(右)小林覚九段

木谷門下トッププロによる座談会では、木谷實九段の元で育った弟子たちから当時の知られざる秘話が明かされました。一世を風靡したトッププロたちならではの修行時代の苦悩や当時の心境といった貴重な話に会場は釘付けでした。

囲碁を巡るアート展も同時開催!

今回は、日本棋院100周年を記念して「囲碁を巡るアート展」も同時開催されているということで、湘南平塚画廊に向かってみました!

画廊の中に入ってみると、木谷實九段のお写真や一門の大きな寄せ書き色紙、直筆の色紙が飾られていました。木谷實九段のご子息からお借りしたとのことで、ここでしか見ることができないたくさんの作品が展示されておりました。

写真左:囲碁を巡るアート展を主催する岡田結美子六段と岡田伸一郎九段

また、何やら人が並んでいるところがあったので覗いてみると「みことの一手」や「切れぬ牌などあんまりない!」など囲碁・麻雀をテーマとした漫画を描く、漫画家の宇城はやひろ先生がサイン会を開いていました!ご自身も囲碁高段者である宇城先生が、囲碁を始めたのは漫画研究部の向かい側に囲碁部があったことがきっかけとのことでした。そこから気が付くと囲碁の世界にのめり込んでしまったようです。

プロの漫画家さんと交流できる機会もなかなかないため、とても楽しい時間を過ごすことができました。

写真:漫画家の宇城はやひろ先生

その他、棋士の皆さんによる色紙や、囲碁アクセサリーやグッズも多くあり、様々な形で囲碁を楽しむことができました。

木谷道場と内弟子制度


木谷實九段が構えた囲碁道場で、どうしてこんなにも多くのトップ棋士を輩出できたのかその背景には「内弟子制度」がありました。
内弟子というと伝統芸能や職人の世界のイメージですが、師匠のもとで生活を共にし、地元の学校に通い、師匠の家で囲碁の勉強をするというものです。木谷道場には最盛期には40名近い内弟子が暮らし、門下生は切磋琢磨し合い、ロケットのようにプロ棋士になっていったといいます。現在では内弟子制度ではなく、寮や合宿所という形で強豪の囲碁道場がいくつかあります。内弟子生活ってどんなだろう、若手で最後の内弟子経験棋士の田尻悠人五段によると、「12歳から20歳まで内弟子として修行し、12歳からプロ試験に合格する15歳までは、親との電話も手紙も禁止、ひたすら生活と囲碁の勉強でした」とのことで相当な覚悟がないと乗り切れなさそうな状況に驚きました。そして「地方にいたままでは囲碁が強くなれないので、内弟子になる以外の選択肢は無かった」と懇親会でお話いただきました。また、近年活躍するレジェンド棋士や若手棋士にも木谷門下筋や孫弟子筋にあたる棋士も多く、その影響は現在も続いています。

写真上:道場跡地の囲碁史跡、写真下:木谷實・星のプラザ、木谷道場模型
※ひらしん平塚文化芸術ホール2Fには「木谷實・星のプラザ」という資料展示コーナーがあります。

推し活!間近で交流できる懇親会

湘南ひらつか囲碁まつり1000面打ちイベントが終了し、続いては6年ぶりに開催される懇親会がはじまりました!待望の開催ということもあり、会場は囲碁ファンと囲碁棋士、関係者の皆様でいっぱいです!

写真左:囲碁友達で懇親会に参加!
写真右:鈴木伊佐男八段と宮沢吾朗九段を囲んでみんなで記念写真!宮沢九段は、タレント「さかなクン」のお父様だとか!

周りを見渡すと、棋士と囲碁ファンが近い距離で会話を楽しむ姿が見て取れました。

囲碁ファンの皆さんに懇親会に参加された感想をお伺いしたところ「普段、なかなかお話する機会も少ないため、近い距離で話せるのは貴重!」といったコメントをいただきました。このような距離の近い懇親会は、プロ棋士と囲碁ファンを繋ぐ架け橋になっているとも言えますね。

木谷門下会の棋士のみなさん


そんなこんなで「湘南ひらつか囲碁まつり」無事終了!

今回は、湘南ひらつか囲碁まつりについてご紹介させていただきました!
みなさんいかがでしたでしょうか?

大迫力の1000面打ちや各イベント、アートにお土産に、懇親会という盛りだくさんのラインナップを楽しむことができ、あっという間の1日でした!

今日1日を通じて、平塚には多くの囲碁棋士を輩出した歴史があり、今もなおその歴史が語り継がれていることを実感しました。

大迫力の1000面打ちに圧倒されつつも、囲碁ファンの笑顔がとても印象的で、このような光景を実際に見ることで囲碁が平塚の方々に愛される理由を改めて知ることができました。
このような囲碁の歴史や平塚市のまちの取り組みについて、皆さんにも知っていただけたら嬉しく思います。平塚に来た際には、ぜひ囲碁の文化に触れてみてはいかがでしょうか?

最後は、平塚駅近くの飲み屋でささやかに打ち上げ!心地よい疲れにビールが染みわたります。平塚×囲碁のお土産もたくさんで、とっても楽しい1日となりました。

リンク:公益財団法人 平塚市まちづくり財団 http://www.hiratsukazaidan.jp/igo.shtml

来年の湘南ひらつか囲碁まつりに参加したいな、と思ったあなたに

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