「マインドスポーツ」という言葉をご存じでしょうか?
本来、スポーツと言えば、野球やサッカー、陸上競技などを想像する方が多いと思います。
日本では「身体を動かすこと=スポーツ」というイメージも強いので、頭を使う競技のことをスポーツとは捉えない人もいるでしょう。
しかし、身体能力を活かした運動を「フィジカルスポーツ」と位置付けるのに対して、記憶力や判断能力などの頭脳の身体能力を使う競技を「マインドスポーツ」として定義し、今日では世界大会なども開催されています。
そもそも「Sports」の語源は、ラテン語の「Deportare」が由来となっているそうで(※諸説あり)、「気晴らしをする、遊ぶ、楽しむ」という意味合いがあるのだそうで、そういう意味では、どちらもスポーツなのかもしれません。
「マインドスポーツ」は、世界大会も開催!
4年に1度、オリンピックのようにアジアの競技大会も開催されています。
昨年の2023年9月に、第19回アジア競技大会が、中国の杭州で行われたことも記憶に新しいです。
陸上や水泳競技、野球などの約50競技の中に、「マインドスポーツ」としての枠があり、囲碁やチェス、ブリッジ、eスポーツなどが「スポーツ」として取り扱われ、各国の代表がメダルを争ったのです!
囲碁も、日本オリンピック委員会(JOC)を通じて、代表選手8名(男子5名、女子3名)を派遣しています。
「囲碁」競技全体の参加国は10ヶ国。
85名の選手が、各国・地域の代表として参加しています。
<出場国・地域一覧>
中国、中国香港、中国マカオ、日本、韓国、マレーシア、モンゴル、シンガポール、タイ、中華台北
ちなみに、日本では「囲碁=芸術文化」としての認識が強いと思いますが、他の国では「囲碁=スポーツ」と捉えているようなんです。
大会でもジャージ(ユニフォーム)を着て対局したり、このような認識の違いも、日本の感覚とちょっと違っていて面白いですよね。
この世界大会では、なんとスポーツと同様のドーピング検査が導入されたりもしています。
オリンピック種目に「囲碁」が入る可能性も!!
今、実はマインドスポーツの市場は、世界的に見てもどんどん拡大しています。
「囲碁」が、オリンピックの種目かというと違和感があるかと思う人もいるかもしれませんが、「国際マインドスポーツ協会(IMSA)」は、2008年の北京オリンピック・パラリンピック以降、マインドスポーツの正式種目化を目指し「ワールドマインズスポーツゲームス」などを開催して、マインドスポーツの普及活動に努めています。
その結果、今回の第19回アジア競技大会に囲碁が採用されたという経緯もあるようです。
この事からも、いずれ「囲碁」がオリンピック種目になる日も近いのかもしれません。
日本が「囲碁」で金メダルを獲得できる日が来ると嬉しいですよね!
ちなみに、このようなマインドスポーツを嗜むことで、健康寿命を延ばせるという認識が広がってきていますので、そういう意味でも、これからの「マインドスポーツ」の重要性は高まっていくことでしょう。