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【囲碁】日本棋院100周年!

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日本は100年以上続く企業・団体の数が世界一と言われています。
実は、世界の100年企業の内、約4割が日本の企業。一般的に企業の平均寿命は30年くらいと言われている中、日本の国技である囲碁を扱った団体「日本棋院」も、来年の2024年7月で100周年を迎えます。

日本棋院創立100周年

日本棋院とは囲碁の公益財団法人で、近代から現代への囲碁の文化と歴史を紡ぐ囲碁の総本山。
定款によると、「我が国の国技であり伝統文化である棋道の継承発展及び内外への普及振興を図るとともに、棋士の健全な育成を行い、囲碁を通して文化の向上に資することを目的とする」組織です。
ちなみに、ちょっと調べてみると、「将棋」の将棋連盟は、同じく2024年に100周年を、「相撲」の相撲協会は、2025年で100周年を迎えるようです。
日本人が、今現在「国技」として捉えているものの多くは、近代になり、1924年前後にそれぞれの組織が結成されています。
そのキッカケは、ある歴史的な出来事でした。
後述しますが、それが何かわかりますでしょうか?
「えっ?囲碁って、まだ100年しか歴史がないの?」とおもわれる方もいると思いますので、そんな日本棋院の100年の歴史をまとめる前に、まずは、囲碁の歴史をホンの少しだけ紹介してみます。

囲碁の歴史

盤面の線と線の交点に石を置く囲碁、諸説はありますが囲碁のはじまりは4000年ほど前の中国ではないかと言われています。囲碁の碁盤は19×19の361の交点がありますので、1年の365日の暦とほぼ同じことから最初は天文学や占いに使われていたのではないかと考えられています。
日本への伝来は、仏教と共に大陸から伝わったという説が有力です。
平安時代の文学、紀貫之らがまとめた「古今和歌集」、紫式部の「源氏物語」、清少納言の随筆「枕草子」などに囲碁を打つ場面が登場しています。

皆様が思うよりも深く、囲碁は日本の歴史や文化に根差しているものなのです。
戦国武将の中でも碁を嗜む人は多く、あの織田信長や豊臣秀吉なども囲碁を好んで打ちました。
江戸時代に入ると、徳川家康が碁打ちに禄(給料)を与え、文化としての「囲碁」を確立していきます。「御城碁」という将軍様の前で囲碁を打つという公式行事も200年以上続きました。
このように世界で唯一「囲碁」を文化として育んだのが、私たちの住む「日本」になります。
しかし、幕末になると江戸幕府の崩壊、明治維新という歴史上大きな転換期を迎え、囲碁の文化は低迷を余儀なくされました。

日本棋院の創設

そんな最中1924年(大正13年)に、現代への囲碁の文化と歴史を紡ぐ囲碁の総本山「日本棋院」が創設されました。
キッカケは、あの「関東大震災」。関東全域に大きな被害をもたらした地震災害です。こちらも2023年で100年目の節目を迎え、防災の面からも歴史を学び直そうというイベントが各地で行われています。
この災害が囲碁界にもたらした影響も大きく、建物の消失や後援者の減少、当時は、本因坊家を始めとする家元や、方円社などの沢山の囲碁の団体がありましたが、この歴史的出来事をキッカケにひとつにまとまり「日本棋院」が創設されたのです。
尽力したのは大倉財閥の大倉喜七郎氏。ホテルオークラを設立した人物と言えば、分かる人も多いのではないでしょうか。今でも日本棋院の1階ロビーには同氏の銅像が置かれています。
1941年(昭和16年)に太平洋戦争が始まり、その歩みは決して平たんなものではありませんが、途切れることなく囲碁を伝え続けていきました。
戦後、昭和30年以降になると各新聞社による棋戦(トーナメント)が充実し、テレビでの囲碁番組の放送が始まります。
当時の囲碁人気は凄まじく、囲碁の棋譜を新聞に載せると発行部数が何倍にも伸びたというキラーコンテンツでもありました。
囲碁の対局に日本中が熱狂したと言っても過言ではありません。

囲碁の魅力

残念ながら、今日では、趣味の多様化、少子高齢化なども伴って、日本の囲碁人口自体は減少していますが、囲碁の魅力は再発見されてきています。
囲碁を打つことによって様々な能力が身につくということで習い事としても人気です。
お隣の韓国・中国では、学習塾よりも囲碁塾の方が多いと言われています。小さなころから囲碁に触れる事で、集中力や考える力をはぐくむことが出来るからでしょう。
日本では、東大をはじめ多くの大学で「囲碁」が単位を取得できる正式科目として扱われるようになりました。大学生にとっても有益な能力が、囲碁を学ぶことで身につくと認められてきています。
子供の内だけでなく、大人になっても囲碁は役に立ちます。社会人のコミュニケーションツールとして、定年後の認知症予防としても見直されてきている一面があります。

世界に広がる囲碁

また、世界的にみれば実は囲碁人口は増加中。
数千万人の人が囲碁を打つと言われています。インターネットの普及によって、欧米でも囲碁を嗜む人は増え続けているのです。
よく将棋と比較されるのですが、将棋は漢字で表記されていること、またチェスという文化がもともと広がっていることがあって、国際的にはまだまだ普及していません(日本国内では、将棋人口の方が多いと言われています)。
囲碁は、白と黒の石だけのシンプルな競技なので、言語というハンデがない分、取っ掛かりが良いのでしょう。
日本と同じように、海外でもプロ制度が確立し、囲碁は段々と世界的な競技になりつつあります。国際的にはマインドスポーツ、競技として捉えられているので、いずれはオリンピック種目のひとつになるのではないかと言われています。
また、ヨーロッパ碁コングレスなどの海外での囲碁イベントも盛んになってきています。近い将来、囲碁を楽しみに海外旅行をする、なんて機会もあるかもしれません。
囲碁は「手談」と言って、言語を必要としない盤上のコミュニケーションツール。海外に行った時、たとえ会話が不十分でも、囲碁を介して仲良くなることが出来るでしょう。
そして、そのような今日の囲碁の世界の根底を築いたのが日本であり、囲碁の普及を担ってきたのは、今年100周年を迎える「日本棋院」なのです。

囲碁を始めることにより、沢山の良いことがあるはずです。
こちらの「囲碁であそぼ!」という無料のアプリでは、簡単に囲碁のルールを覚えることができます。是非ぜひ、囲碁を体験してみませんか?
リンク:
100周年記念サイト
日本棋院|100周年記念サイト (nihonkiin.or.jp

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