皆さん、「囲碁」というと、日本の文化というイメージが強いかもしれませんが、実は世界中に愛好家がいるグローバルなゲームなんだと知っていましたか?
今回は、第44回世界アマチュア囲碁選手権を取材しました。
全世界60ヵ国・地域から囲碁プレイヤーが大集結しています。国境を越えた「囲碁」の世界。大会の様子や、世界中からやってきた選手たちのリアルな声を、皆様にお届けしたいと思います!
第44回世界アマチュア囲碁選手権
世界アマチュア囲碁選手権大会は1979年からはじまり、アマチュアプレイヤーの囲碁世界1位を決める歴史ある大会です。今年は日本が開催国となり、東京は市ヶ谷にあります日本棋院にて大会が開催されました。
様々な国のプレイヤーが参加し、それぞれの国・地域を代表として戦います。テーブルには各国の国旗が飾られ、国によっては民族衣装で出場する人も!国際色豊かでとても華やかな大会です!!
各国の選手を歓迎!レセプションの様子
はじめに、各国の選手たちを歓迎するレセプションが開かれました。
日本のトップ棋士である一力遼棋聖の挨拶では、カメラを向ける選手たちも多く、世界的に注目されている棋士であることが分かります。
写真:左「挨拶をする一力遼棋聖」
右「一力棋聖は選手からサインを求められ扇子に直筆サインをプレゼント!」
そして、選手の皆さんもグラスを手にとり、今大会の成功と各選手たちの健闘を願い、全員で乾杯!明るく賑やかな雰囲気でスタートしました。
バイキング形式の日本食には長蛇の列ができており、特にお寿司が大人気の様子。日本の食事や文化を楽しみながら、交流を深めていました。
【一力棋聖インタビュー】
2013年に宮城(仙台)で開催された世界アマチュア囲碁選手権大会では、参加国が56か国だったのが、今回は4か国新たに増えており、海外の熱気を感じます。今後もさらに多くの国々に参加してもらえたら嬉しいです。
各国の選手に突撃インタビュー!
ここで選手の皆さんに大会前の心境について、突撃インタビューをしてみました!
トルコ代表のUgur Arikan(ウガール アリカン)さん。今回、はじめて東京を訪れたとのことで日本や日本棋院の素晴らしさに感動し、全てのことにわくわくしている!と笑顔でお応えいただきました。普段のお仕事は、銀行監査役をしているそうです。囲碁の一番好きなところは、強い選手と対局する経験や、局後の検討をすること。
続いては、モンゴル代表の学生さん!はじめての東京に、わくわくする気持ちと少し緊張もしているとのこと。モンゴルでは囲碁は盛んではないですが、オンラインで囲碁を学んだとのことでした!この学生さん以外にも、オンラインで囲碁を学んでいる選手は多く見受けられており、オンライン囲碁が世界的に主流になっていることが分かります。
日本代表の大関稔さんにもインタビューをさせていただきました。
「相手に左右されず自分のペースでしっかりと実力を出し切り、過去15年以上ない世界3位以内に入ることを目指したい」との意気込みを頂きました。
インタビューを終えると、アメリカ代表の選手から、「US GO CONGRESS 2023」と書かれている、アメリカで開催された囲碁大会のボールペンを頂きました!!
改めて、囲碁は世界中で楽しめるゲームであると感じるとともに、もっともっと多くの方に世界で楽しまれる囲碁を知ってもらいたいです。
代表選手による記者会見
レセプションが終わると、代表選手の記者会見が始まりました。
今大会に臨む気持ちや、各国の囲碁への取り組みなどについてお応えしており、どの選手からも、大会に向けての気持ちの高まりを感じます。
大人気!100周年記念イベント(大盤解説)
記者会見が終わると、日本を代表するレジェンド棋士(大竹英雄名誉碁聖・武宮正樹九段)の公開対局と解説会が行われました。世界中のプレイヤーが、大盤解説に夢中です。せっかく日本に来てくれた皆さんに楽しんでもらいたい想いで、イベントも盛りだくさんです!
写真:左「レジェンド対局・解説会の様子」
中央「大会参加者同士で、自由に囲碁を楽しむ姿」
右「対局をYouTubeライブで解説する人気棋士:鶴山八段・結城九段・林八段」
いよいよ大会初日!世界アマチュア囲碁選手権大会開幕!
さて、いよいよ大会初日です。選手の皆さんの様子は…真剣そのもの。
会場は、選手たちの熱気で包まれておりました。そこには言語や国は関係なく、1つの碁盤を通して互いに思考を巡らせる光景が広がっていました。
写真:中央「今回初参加となるキルギス代表選手。キルギス伝統帽子をかぶっての対局」
右「12歳の最年少ニュージーランド代表選手(写真右)」
対局が終わると、さきほどまで打っていた対局を、もう一度並べ直す検討が始まります。検討においても言葉の壁を越えて、碁石を並べながら「ここは良かったね!」や「こっちに打ったほうがよかったかな?」など会話している姿が印象的でした。
ところで…これだけ多くの国々で楽しまれる囲碁ですが、各国によって対局スタイルの違いがあるのでしょうか?例えば、中国流やアジア流、ヨーロッパ流など国によって違いがあったら面白いなと思ったので、一力棋聖と鶴山八段に「国ごとに棋風(対局スタイル)の違いはありますか?」と聞いてみました。
そうすると、「国ごとの違いは無さそうですが、序盤(最初の打ち方)はAIの研究をしている選手が多いですね!」とお二人とも口を揃えて仰っていました。AIは国を越えて活用されており、多くのプレイヤーに普及しているのだと感じます。
対局後の選手に突撃インタビューしてみました!
スイス代表のArmel-David (Gérard) Wolffさん。もともと漫画が好きで、ヒカルの碁に出会い、漫画フェスティバルで囲碁を教わったのが囲碁をはじめたきっかけとのこと。
普段は、オンライン対局をしたり、アプリで詰碁を解いたりして楽しみ、お仕事はコンピューターサイエンティスト(エンジニア職)をしているとのことでした!!
日本が大好きで、今大会もとても楽しみにしていたと満面の笑みでお応えいただきました。
こちらは、アメリカ代表の張智渊さん。この大会で1番大切なことは、60か国・地域のプレイヤーたちが囲碁を通じて親しくなることと同時に、未来の大会に繋げていくこと。
初戦を終えた充実感が、笑顔から伝わります。昨日いただいたボールペンのお返しに、浅草土産をプレゼントしたら家族と食べると喜んでくださりました。
このように、文化交流ができることも、世界大会の大きな魅力の1つですね。
世界アマチュア囲碁選手権・東京大会、結果はいかに…
4日間に渡る熱戦の末、今大会の結果は、1位 白宝祥さん(中国)2位 金正善さん(韓国)3位大関 稔さん(日本)となりました。
左から金 正善さん(韓国)、白 宝祥さん(中国)、大関 稔さん(日本)
※総当たり戦の大会ではないので、スイス方式を採用し、このような順位となっています。
大関さんは、目標としていた3位入賞を果たしました!おめでとうございます!
言語や国を越え、交流することができる「囲碁」の世界はいかがでしたか?
ぜひ一緒に「Would you like to play Go?」からはじまる「囲碁」に触れてみませんか!?
グローバルな囲碁、やってみたい!という方には…
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